長年経営してきたホテルを手放し、飲食事業の強化で経営を抜本的に改革する。同社はいわば「第二創業」のタイミングにありました。ミッションはその「変革」への意志を社内外に伝えること。しかし、変革とは同社が培ってきたもてなしの精神を、切り捨てることではなく、いまいちど社員が共有し、磨きをかけ、受け継いでいくこと。「こころに尋ね、こころで応える」というコーポレートステートメントにもどづき、その世界観を共有するための社員用ツールを制作。その上で、社用ユースの多いという同社の背景から企業広告を新聞に出稿。変化への決意を広く商圏の一般層にアピールしました。さらに、社員のマインドセットと顧客への宣言を果たした上で、利用実績のある顧客にピンポイントでDMを送付。ブランディング施策と販促施策を同時に走らせることで、理念浸透と売上増加の相乗効果をもたらしました。
野村総合研究所(株)様/(株)博報堂プロダクツ様との協働プロジェクト
「変革」の意志を社員に示す社員用レターを制作。さらに、さまざまなポジションの社員インタビューを実施。そこから得られたエッセンスを凝縮し、「従業員向けハンドブック」を制作しました。新入社員への教育や働く人本人が仕事に迷いが生じた時に原点に立ち戻るクレドとして機能します。
金沢の商圏をカバーする北陸新聞に企業広告を出稿。「こころに尋ね、こころで応える」というコーポレートステートメントの世界観を紐解きながら、変わらぬもてなしの精神と変革への意志をアピールしました。
社員教育ツールの配布と、企業広告の出稿で社内のモチベーションが高まり、さらに新聞広告で「変革」への意志が商圏に広がった時点でDMを発送。ブランディングの効果を売上という数値化するこころみを行いました(DMツールは博報堂プロダクツ様が企画・制作)。
ブランディングプロジェクトの成果。
グループの母艦である「浅田屋旅館」はトリップアドバイザーの口コミ評価で「5.0」(2019年3月時点)をキープし、日本のおもてなしの精神を体現する宿となっています。また、家族ユース、デートユース、歓送迎会や接待の社用ユースなどあらゆる用途に対応できるステーキハウス「六角堂」と懐石料理店「松魚亭」「かなざわ石亭」も好調。味もさることながら、気遣いやこころ配りが高評価を得て、北陸新幹線開通後は県外のお客様でも賑わい、浅田屋グループの業績はV字回復を遂げました。